保険の種類とその必要性を徹底解説!
対人賠償保険とその必要性
相手がいる自動車事故を起こし自分に過失がある場合に、相手の車に乗っていた人の怪我や死亡に対する補償をするのが「対人賠償保険」です。
相手が自転車に乗っていた人や歩行者の場合も補償されます。
ただし補償されるのは相手が「他人」の場合のみです。
保険の契約者や、「記名被保険者」といって、その自動車を主に運転する人は対象外です。記名被保険者の配偶者・父母・子供も他人とはみなされませんので、そのような身内に対してはこの特約では補償されず、任意保険の別の部分で備えます。自分に過失がある事故で、相手の怪我や死亡に対して補償され、自分の過失の割合に応じて、自賠責保険の補償金額を超えた分について支払われます。相手への賠償金は高額になりがちです。
治療費の実費、治療しても治らない後遺症がある場合の介護にかかる費用はもちろん、後遺障害や死亡の場合には、逸失利益といって健康であれば得られたはずの金額、精神的損害への慰謝料などで賠償金は高額になります。
賠償金は、相手の職業や年齢によっても違ってきます。
保険金額は無制限が安心できるでしょう。
その為、対人賠償保険は無制限のみ取り扱う、といった保険会社も多くあります。
対物賠償保険とその必要性
事故で「他人」が所有する物を壊してしまい賠償しなくてはならない時に頼りになるのが「対物賠償保険」です。
(対人賠償保険と同じで、対物賠償保険も、主に車を運転する「記名被保険者」や、その家族は他人とはみなされませんので、その財産についても対象外となります。)
例えば相手の自動車や、ガードレールや電柱、お店や住宅など、車をぶつけてしまった「物」が壊れた場合の修理代などを、自分の過失割合に応じて補償してくれるものです。タクシーやバスなどが相手だったり、お店の建物に車をぶつけてしまった場合などには、物の修理代だけでなく、営業できたはずの分の損失などの間接的に発生した損害も支払わなければなりません。
対物賠償保険は補償の限度額を選ぶことが出来ますが、対人賠償保険と同じく高額の賠償金になることも多い為、無制限をおすすめします。
補償限度額を設定しても、相手の物の修理代に対してのみ、補償の限度額を超えて補償する特約があります。
(対物超過修理特約や対物全損時修理差額費用特約など。)
しかし、相手の物が壊れた事による営業損害や、休業補償に対しては適用されない為、無制限の対物賠償保険に加入しておいた方がより安心です。
搭乗者保険ととその必要性
搭乗者保険、つまり搭乗者傷害保険は、事故に遭遇した際、自分の車に乗っていた人に対する補償です。
自分の車の運転者や同乗者に対する怪我、後遺症、死亡に対し、あらかじめ契約で決めておいた金額が補償されます。
相手がいる事故で相手も過失がある場合は、相手の保険からも賠償を得られますが、実際に受けた治療や、負傷、死亡した人の収入によって賠償金の金額は変わります。
そのような際も、搭乗者傷害保険に加入しておけば、もし事故によって、自分や、一緒に車に乗っている人が怪我をしてしまった場合や、後遺障害が残った場合、死亡の際に、最低限欲しい金額を準備出来ます。
この保険を使用しても、翌年の保険料も上がらないことはメリットです。
また、人身傷害補償や、自賠責などの保険金なども関係なく、それらがある場合は重複して保険金を受け取れることも、大きなメリットです。
ただし、定員を超えて車に乗っていた時や、無免許運転、酒気帯び運転などの場合は支払われませんので、法律に則って正しく運転する事が大切です。
予め決めておいた金額の支払いになるので、任意保険に加入する際どのような取り決めでいくら支払われるか確認しましょう。
人身傷害保険とその必要性
人身傷害保険は、事故時に自分の自動車に乗っていた人の傷害、後遺障害、死亡に対して、過失の割合に関係なく、治療費や、働けない間の休業損害などが実損害額で保険金が支払われます。
自分の自動車に乗っていた人、という点では搭乗者傷害に似ていますが、長引きがちな示談交渉を済ませて、過失の割合が決まらなければ支払われない搭乗者傷害に対し、人身傷害は示談が成立する前に、治療費や、休業補償、精神的苦痛に対する慰謝料などを保険金として受け取ることが出来ます。
搭乗者傷害を付けている場合は重ねて保険金を受け取れます。補償金額は無制限までを選んで加入できる為、自分の車に乗っている人への補償としては、搭乗者傷害、自損事故保険よりも安心できる内容です。
事故時の車内での死傷についての補償ですが、歩行中や自転車に乗っている時、つまり車外も補償を受ける事ができます。
ただし、保険会社によって、車内外の補償の特約の付け方に違いがありますので注意が必要です。通常車内外の補償になっていて特約を付けることによって車内のみの補償にし保険料が安くなる場合と、通常車内のみの補償で特約を付けると車外も補償するようになり保険料が上がる場合があります。
自損事故補償保険とその必要性
自損事故補償保険は、建物にぶつかってしまったり、崖から転落してしまった、など、自分が過失の全てを負う事故、相手がいない単独事故の際に、自分の怪我や死亡に対して保険金が支払われます。
自賠責保険ではカバーできない自分の身体に対する最低限の補償です。
人身傷害、搭乗者傷害に似ていますが、保険金が支払われる時期や限度額に違いがあります。限度額としては、高い順に人身傷害、搭乗者傷害、自損事故保険、になります。
人身傷害保険を付けていれば、より高額、場合によっては無制限で補償を受けられる為、自損事故補償保険ではなく人身傷害保険から保険金が支払われることもあります。自損事故保険を使ってしまうと、等級が下がってしまい、翌年の保険料が大きく上がる傾向にあります。
治療費があまりかからないような怪我の場合は、この保険は使わずに自費で治療を受けた方がお得です。
また、搭乗者傷害保険を付けている場合、そちらを使用しても保険料は上がりませんので、搭乗者傷害保険を使った方が保険料は上がらずに済みます。
最近の任意保険では、自損事故補償保険は基本補償に含まれており、加入に対して手続きは必要なく自動的に付帯されることも多くあります。
無担保険車障害保険とその必要性
相手がいる自動車事故で相手から賠償してもらえない時に、自分の任意保険から補償が受けられるのが、無保険車傷害保険です。
自分と、自分の車に乗っていた人の、怪我、後遺障害、死亡に対しての補償になります。
賠償が受けられない主な理由としては、相手が任意保険に未加入だったり、相手が任意保険には加入していてもその補償内容や補償金額が不十分などの、相手に支払能力がない場合です。
相手が任意保険は未加入であっても自賠責保険が有効であれば、怪我は120万円まで、後遺障害は4000万円まで、死亡に対し3000万円が支払われます。
しかしそれでは不足することも多く、その際に、自賠責保険を超えた部分に対して、無保険車傷害保険から補償が受けられるのです。補償金額については保険会社により、無制限、限度額が2億円、などの違いがありますが、限度額がある保険会社でも、自分の任意保険の人身傷害保険から優先的に支払いを受けられますので、人身傷害保険が無制限の場合は、そちらから無制限で支払われます。
また、無保険車傷害保険は自損事故保険と同じく、最近の任意保険では、基本的な補償に含まれており自動付帯されることが多くなっています。
車両保険とその必要性
事故で自分の車が傷付いたり故障した際の修理代金は思いの外高額な為、加入者が多いのが車両保険です。
自動車の種類や経過年数などによって保険会社が限度額を決め、その限度額内で一定の幅があり自分が備えたい金額で加入することが出来ます。
任意保険の保険料の中で大きな部分を占めますので、自動車の購入状況や使用状況をふまえ、補償される金額などを考慮し、よく検討すべき部分です。
ローン購入の車の場合、自損事故を起こし自動車がどのような状態になったとしてもローン支払いは続くので加入しておいた方が無難です。
車両保険が適用される条件は、一般条件といってどんな事故でも補償するタイプと、車対車といって相手がいる場合に限るタイプなどが選べるようになっています。
地震や津波、台風や火事、盗難などが一般と車対車どちらに含まれるのか、補償外なのか、特約扱いなのかは保険会社によります。
保険会社によってさらに細分化されている場合もあります。
また、関連する特約として、修理時の代車費用特約や、修理できず自動車を買い替える場合の購入費サポートの特約、車に載せていた物品の補償特約など様々なものがあります。